Aloha hou mai kākou!
アロハ・ホウ・マイ・カーコウ!
さて、今回のメレは、コンポーザーとしても名高いクムフラ、カワイカプオカラニ・ヒューエット氏による カ エハ ケ アロハ です♪
日本では特にフラソングとしても有名ですね(o^.^)v
このメレは、ハワイ島のマウナケア山に住む 雪の女神 ポリアフ のお話で、恋に破れた痛みを詠ったものですが、作者が意図したとされている通り、悲しみそのものよりも、相手を許し、今も愛し続けるがゆえの痛みを描いた、永遠の愛 がテーマになっていると思います。
動画は、今回もショーン・ナアウアオさんの演奏です。
意味を思い浮かべて聴いて下さいね。
Ka ʻEha Ke Aloha (Ka ʻEha A Ke Aloha)
Eia hoʻi au e kuʻu ipo
Here I am my sweetheart,
私はここよ、愛しい人
I ka uka ʻiuʻiu
in the lofty uplands
高く遠く離れた山の上
I ka ua māʻeʻele o lilinoe i ke anu o Mauna Kea
In the freezing mist of Lilinoe, in the cold of Mauna Kea
寒空のマウナケア、リリノエの霧雨に凍えて
※Hui/コーラス
Uwē au i ka ʻeha a ke aloha e kuʻu ipo
I weep pained by my beloved
泣いているの、愛の痛みで、愛しいあなた
Uwē au i ka ʻeha a ke aloha
I weep pained by love
泣いているの、あなたへの愛に心痛めて
He kilohana kou aloha no kuʻu kino
Your love is a choice piece of tapa to cover my body,
あなたの愛は、私の体をおおうキロハナ*1
Hoʻoheno i ka poli
that I cherish in my heart
今も心に大切にしまっている
Na ka hāliʻaliʻa e hoʻopumehana
The loving memories bring me warmth
愛しい想い出は、私の心を温めてくれる
I ka pō mehameha ipo ʻole
On lonely nights without you
あなたのいない独りぼっちの夜も
※hui (コーラス)
Na ka moe ʻuhane i hoʻāla mai iaʻu
I was awakened by a dream
ふと夢で目が覚めた
I ka pō māhinahina
On a moonlit night
薄明るい月の夜
He ʻalawa iki a kuʻu ipo
It was a glimpse of my beloved,
一瞬浮かんだ愛しい人の姿
He ʻike hōʻeha puʻuwai
A vision that brought pain to my heart
その面影に、心が痛んだ
※hui (コーラス)
Nani Hāmākua i ka ulu lehua
Hamakua is beautiful with its lehua groves,
美しいハーマークアの地、レフアの木々に溢れ
Māhiehie i ke alo o ka pali
beautiful on the face of the cliffs
断崖も美しく一面を装う
I laila kāua i pili ai
It was there that we met
そう、そこで二人は結ばれた
Me ʻoe ke aloha a mau loa
My love is yours forever
あなたへの愛、永遠に
※hui (コーラス)
*1 タパのブランケット(下の注釈を参照)
Ka ʻEha Ke Aloha | Sean Naʻauao
Written by Frank Kawaikapuokalani Hewett
English Translation from CD liner notes
英訳:CDライナーから(一部変更箇所あり)
ちょっとビブラート多め?ですが、、
ショーンの透き通った歌声が、純白のマウナケアの景観に心地よく響きますね♪
物語の中で、雪の女神 ポリアフ(Poliʻahu)は、カウアイ島のプリンス(Aliʻi,王族)である アイウォヒクプア (アイヴォヒクプアʻAiwohikupua)と出逢い、恋仲となりますが、アイヴォヒクプアは 理想郷パリウリ に住む絶世の美女 ラーイエイカヴァイ (Lāʻieikawai)を諦めきれず、ポリアフの元を去ってしまいます。
その後、彼は再び、ポリアフとよりを戻し、結婚の約束まで交わしますが、マウイ島に住む別の女性が忘れられず、またしてもポリアフを裏切ってしまいます。
歌の中で、恋に破れたポリアフは、
凍てつく霧雨の中で涙しますが、
それでもなお、自分を裏切った恋人に想いを寄せ
あなたの愛は、最高のキロハナ
今も心に大切にしまっている、、
と語り、最後に
私の愛、永遠にあなたと
Me ʻoe ke aloha
a mau loa
、、と歌っています
彼から受けた愛は、彼女にとって、きっと何にもかえがたい 永遠の贈りもの だったんですね💕
※ちなみに一般的なポリアフとアイウォヒクプアの物語では、他の女性に目を向けた恋人が許せず、ポリアフは自ら彼の元を去り、その後もこの二人に対し復讐をするなど、ポリアフの怒りのほうがより強く描かれていますm(_ _)m
では、今回も歌詞の解釈について、補足しておきますね♪
まずは出だしの部分 Eia hoʻi au ですが、フラ演技の退場部分 hoʻi (ホッイ、戻る)という単語をご存知の方は特に、
hoʻi(戻る) + au(私)= 私は戻る
と訳してしまいがちですが、、
実は hoʻi には様々な意味があり、ここでは単に eia (ここにいる)の強調として使われています。
なので Eia hoʻi au は<私はここにいる>という意味ですが、ニュアンス的には<ほら、ここにいるのよ、私>とか、<今もここなのよ>とか<まさに、ここにいるのよ、私>という感じですね💡
また、その後に続く<寒空のマウナケア、リリノエの霧雨に凍えて>の日本語訳は、ハワイ語との文法上の違いから語順が逆になっています。
ハワイ語の歌詞では<リリノエの霧雨に凍えて>が先に来て、<マウナケアの寒さの中で>が続きますので、ハウマーナ・フラさんはそのつもりで踊ってくださいね
ちなみに リリノエ は ミスト(霧雨) を意味しますが、ポリアフを含むハワイの雪山の女神四姉妹の一人、霧雨の女神 の名前でもあります。
ここでの霧雨は日本のそれではなく、標高4千メートルの山にたちこめる 女神リリノエ の寒々とした白いミストを想像してみて下さいね
そしてサビ部分の<泣いているの、愛の痛みで、愛しいあなた>は、日本語訳では(文法上問題ないため)敢えて e kuʻu ipo を<愛しい人よ>と呼びかけの言葉としましたが、英訳では<泣いているの、愛しい人による愛の痛みで>という解釈になっています。
また、2番の冒頭で出てくる キロハナ は、ベッドカバー(または掛け布団)となる5枚重ねのタパ布(ハワイ語ではkapa)の 一番上(表面)のタパ の事で、その下4枚の白い無地のタパと違い、とても美しく装飾を施されていたため、そこから転じて【最高級・最上のもの】という意味のハワイ語でよく使われる 比喩表現 となっています💡
最初は タパ?? となりそうですが、聞き慣れて来ると普段聞くような
あなたは眩いばかりのダイアモンド、、
とか
私の頭上に輝く一等星、、
という形容よりも
あなたはまるで、私の体を優しく包み込むキロハナ、、
のほうが、とてもハワイアンらしい、温かみのある表現に思えてきたりします(o^.^)v
そして、最後の Māhiehie i ke alo o ka pali の中の ke alo (the front)は、英語の意味から、崖の前で、と訳しがちですが、絶壁 (ka pali) の前面(おもて)という意味です。
日本語では「崖一面」といったところですが、ハワイ語の pali (英語のCliff) は360度で捉えて、断崖の切り立った方(崖部分)を決り文句のように前面という呼び方をするんですよ。
ちなみに上の動画には緑豊かな光景の画像しか入っていませんが、ハマクア(ハワイ語ではハーマークア)コーストの pali はこんな感じで、これよりももっと盆栽みたいに断面が切り揃えられたような所もあります。
切り立った崖一面が美しく緑を装うハマクアでの楽しかった日々。
ポリアフの心に、永遠に色褪せることなく残る美しい想い出の風景ですね💕
※クアナ・トレス・カヘレさんの カオハオハラ (Ka ʻOhaohala) (歌詞/和訳のみ)もハマクアコーストを歌った曲です。
それから Ka ʻEha Ke Aloha を踊った2006年のミスアロハフラについても、今回、フラな日々の記事として一緒に書き留めてみました♪
ミスアロハフラ演技でのメレの演奏も、クムフラ、ナニ・リム・ヤップ氏が透き通る声で絡むハワイ語のコーラスなど、とても美しいアレンジになっています💕
ぜひこちらものぞいてみて下さいね
それでは、mele mau kākou!
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