Aloha nui mai kākou!
さて<今月のメレ>の第1回は、永遠に素朴で可憐なメレ、プア・リリレフア(リーリーレフアの花)です(o^.^)v
この曲は、ミュージシャンであるカハウアヌ・レイク(Kahauanu Lake)氏が、偉大なるクムフラであり、後に彼の妻となった若き日のアンティ・マーイキ・アイウ・レイク(Aunty Māʻiki Aiu Lake)のことを想い書いたもので、多くのフラダンサーさんにとってもとても馴染みの深いメレですね。
このメレの背景となる二人の話やリリレフアに託された意味は、歌詞の後で紹介しますね。
また、この曲に関する クアナ・トレス・カヘレさんの 素敵な逸話 があるので一番最後にシェアしますね。
動画はカハウアヌ・レイク・トリオのオリジナルとは異なり、しっとりとスローテンポで一味違った仕上がり感のあるショーン・ナアウアオさんの演奏*です。
字幕を英語にするとハワイ語の歌詞が出ます。
とても静か~な曲なのでヘッドフォンをつけて聴いて下さいね 🙂
(*彼の歌詞に一部原曲と異なる箇所があります)
– Pua Līlīlehua (Lililehua) –
(リーリーレフアの花)
ʻAuhea wale ana ʻoe
This is to you
君に伝えたいことがある
E ka pua līlīlehua
O sage blossom
リリレフアの花よ
A he ipo hoʻohenoheno
A cherished sweetheart
愛しくてたまらない君よ
E hoʻohihi ai no ka manaʻo
That attracts the mind
いつも僕の心を虜にする
Iā ʻoe e ʻimi ana
While you go seeking
君が美しいもので溢れた世界へ
I nā nani o ka ʻāina
Among the beauties of the land
探しものに出かける間も
Eia nō lā au ma ʻaneʻi
Right here I remain
僕はずっとここにいるから
E kali ana i kou hoʻi mai
Waiting for your return
君の帰りを待っているから
E ʻalawa mai hoʻi ʻoe
Glance quickly this way
振り返って見てほしい
I nei mau maka onaona
At these inviting eyes
いつも君に語り掛けるこの瞳を
He mau maka poʻina ʻole
These unforgettable eyes
決して忘れることなどできないはずの
E kapalili ai kō puʻuwai
That makes your heart tremble
君の心を震わせる瞳を
Hilo paʻa ʻia ke aloha
Love is bound fast
愛の絆は固く結ばれた
I ka lino hilo pāwalu
With an eight strand lei
八つの結い目に織り込まれ
ʻAʻohe mea e hemo ai
There is nothing to separate
誰にも解くことなどできはしない
Me aʻu ʻoe a mau loa
You from me forever
君と僕 そう永遠に
Haʻina mai ka puana
This story is told for you
これが僕のストーリー
E ka pua līlīlehua
O sage blossom
Oh リリレフアの君よ
A he ipo hoʻohenoheno
A cherished sweetheart
愛しくてたまらない君
E hoʻohihi ai no ka manaʻo
That attracts the mind
いつも僕の心を虜にする
Pua Lililehua | Sean Naʻauao
(Written by Kahauanu Lake & Mary Kawena Pukui)
ハワイ語の歌詞と英訳はwww.huapala.orgから。
注)ハワイ語の歌詞・英訳は一部訂正した箇所もあります。日本語の訳はハワイ語からの直訳です。
歌の意味と解説
曲のタイトルのプアは<花>、そしてリリレフアはアンティ・マイキ(マーイキ)が当時住んでいたパーロロ・バレー(Pālolo Valley)に多く群生していたテキサス・セージと呼ばれるサルビア科の植物のことで、作者は彼女のことをその可憐な赤い花に例え、愛しいプア リリレフアの花よ、と語りかけています。
さらに、この<リリレフア>は、実は花の名前だけでなく、パーロロ・バレーに吹く 雨と風 の名前であり、同時に、この地に住んでいたとされる 神話上のモオ (Moʻo: ハワイの神話に多く登場するトカゲのような爬虫類の生き物)に求愛された 若く美しい女性 の名前でもあり、リリレフアがこの土地に住む女性であることを暗示しているんですね。
当時、カハウアヌ・レイク氏とアンティ・マイキはワイキキでは既に名声を確立した者同士。
共にロイヤルハワイアンホテル等、一流の舞台で共演する仲でしたが、カハウアヌ氏は、アンティマイキに寄せる想いを誰にも伝えず、Hawaiian Dictionaryの著者メリー・カヴェナ・プクイ氏にこの曲のハワイ語訳を依頼した際にも、この歌が誰のことを歌ったものかは明かさなかったそうです。
若く美しく、そして類まれな才能を持つアンティ・マイキのことが頭から離れず、恋人を探し求めている彼女に、
いつも君を見つめている自分がすぐ側にいるよ
二人は運命の糸で結ばれているんだよ
と歌に想いを込めて語りかけているんですね。
そして彼はみごとにアンティのハートを射止めたのです。
とってもロマンチックですね💕
また、アンティ・マイキの伝統を引き継ぐ著名なハーラウの一つ、Hālau Mōhala ʻIlimaのワヒネたちが見せてくれた2008年のメリーモナークでの演技も他の記事で紹介しているので一度見てみて下さいね。いつ見てもココロに響く踊りです。
<追記>
4番目の I ka lino hilo pāwalu の pāwalu は八つに分けて、八等分に、という意味です。
このフレーズは上述のプクイ女史による辞書の中で、(bound) with an eight-strand tie という英訳が載っています。
一説ではアンティ・マイキの八つに(または八本に)結われた髪を指す、または八本にして結うことが縁起が良いといった話も聞きますが、いずれも特にこのメレの訳で限定できるほどクリアではないため、とりあえずここでの日本語訳は結い目としています。
それから、ハウマーナ・フラの皆さんはモーションと歌詞が一致する必要がありますので、下記も補足しておきますね。
2番目の歌詞は最初の2行を一つにして一文になっていますが、実際は最初の行が「あなたが探しもとめる間に(これはあなたを探すではなく、~が~をしている間にという構文です)」で、2行目が「この土地の美を」と言う意味です。
英語ではその構文上、ハワイ語と同じように訳が可能ですが、日本語では詩らしい文章になるように、翻訳上中身が入れ替わっています。
こぼれ話:クアナさんのプアリリレフア
それでは最後にこの曲にちなんだ こぼれ話 を(o^.^)v
日本でも人気のハワイのミュージシャン、クアナ・トレス・カヘレ(Kuana Torres Kahele)氏が、その昔、旧ハワイアン・リージェント(現在のマリオット)で演奏していた頃の話だそうです。
その当時彼はPua Lililehua のメロディーには馴染みはあったものの、歌詞については実は良く知らなかったそうで、その日彼は適当に言葉をつないでこのメレを歌ったそうです。
演奏が終わると、観客の一人が彼に近づいてきてこう言ったそうです。
君はとても美しい声をしているけど
さっきの歌はちょっとね。。
歌詞が滅茶苦茶だったよねえ。。
そう言うと、彼は電話番号をくれたそうです。
さっそく翌日その番号に連絡をとると、その人は彼をカイムキーの自宅に招待し、この歌の背景やいきさつなどを彼に丁寧に教えてくれたそうです。
そう、もう気づかれた方もいるかと思いますが、その男性こそが、このメレの作者、カハウアヌ・レイク氏だったそうです。
昔ながらの温情に溢れた、なんともハワイらしい話ですね。
それでは次回のメレをお楽しみに(o^.^)v
Mele mau kākou!
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