アロハとハワイの挨拶

Welina mai kākou!

さて、ハワイ語の挨拶の中で、アロハ!と言われた時の返事に<ハイ、ほんとにアロハですね!>という同調と強調が使われることになんとなく違和感がある方が多いようなので、、

今日は アロハ について少し詳しく書いてみました(o^.^)v

ハワイ語の辞書でアロハという単語を引くと、数えきれないほど多くの意味が載っています。
昨日紹介した<愛する>や<挨拶する>や、優しさ、思いやり、敬意、慈善、慈悲、哀れみ、昨年 Facebook で紹介した<哀悼の意>等々、他にもたくさんの言葉が並んでいます。

では、もしもこの言葉をどうしても一語または一文字で表せと言われたらどうでしょう?

ハワイ語以外の言語でアロハを一言で説明するなんてHow dare youという感じではあるのですが、そこを敢えて言ってしまうと

アロハとは、漢字の『情』 英語の “Affection”
といった感じです(o^.^)v

アロハとは “愛情や哀れみなどの慈しみの感情”
そして “相手にその情けをかける(即ち愛情を移入をする)行為”

例えばアロハは、

神のご加護がありますように(Bless you)と相手の幸せを願い祈る気持ちであったり、

胸が痛み、心に沁みてますよ、心からの同情をあなたに寄せていますよ (My deepest sympathies go out to you)と葬儀で遺族にかける言葉であったり、

アロハがずっとあなたにありますように、どうぞお元気で(Farewell)という惜別の際の言葉であったり、

また、ご家族に私の想いを伝えて下さい、どうぞよろしくお伝え下さい(Give my love to your family, or say hello to your family)であったり、

相手を優しく包み込む人の情とその行動全てを包括した言葉だと思います。

ちなみに、その他の同義語や挨拶用語のうち、このアロハという言葉だけが今日のように特別な扱いを受け、もてはやされるようになったのは、西洋文化、特にハリウッド映画時代の影響からとされています。

それまでの<アロハ>はハワイではごく普通に使われていた上記のような愛情 (affection) を示す単語の一つだったそうです。

また、ことさら日本で取り立てられる<アロハとハワイの教え>ですが、このアロハの精神は決して彼ら固有の、または彼らに特化した感情ではありません。

例えるなら、マザー・テレサや、ダライ・ラマはアロハ・スピリットの極みのような人たちであり、どこにおいても誰に対してもエクササイズされる彼らの温かい慈しみの精神、それをハワイの人々は自国の言葉でアロハと呼ぶのだと思います。

そしてハワイの人々は、たった一言でこれらの大切な感情を伝える術を持ち、それを互いにシェアしあい、さらにそれを州法にまで組み込むほど大切にしようと意識している人たちであること、それがとても素晴らしい事なのだと思います。

aloha3
Photo | Kai Markell

さらにハワイの人々は、人と出会った際や、別れる際にも、互いへのアロハの想いを口にして、確かめ合います。

それが皆さんが良くご存知のハワイの挨拶表現の一つ、「アロハ!」なんですね。

もちろんこういった挨拶の習慣がない国や文化では、その国の一般的な挨拶の言葉で訳されるのが一般的です。
英語であれば単純に、Hello や Good morning、Good day、日本語なら<こんにちは>や、<さようなら>ですね。

ただし、英語の Good morning が単なるハローでなく言葉そのものに意味があり、日本語の<ごきげんよう>が単なる<こんにちは>や<さようなら>でなく相手への慈しみを含む言葉であったように、挨拶のアロハにも<ハロー>だけでなく、<アロハ>という本来の言葉の意味が込められています。

実際に、毎日の挨拶の中で彼らは

“Love to both of us, Kekai” 私たちにアロハ(愛/慈しみを)、ケカイ君
“Yes, indeed love to both of us, Kanani” はい、本当に私たち共にアロハ(愛、慈しみを)ですね! カナニさん

と、相手への互いのアロハの想いを確かめあっているのです。

それでアロハと言われた時の返事に、Yesと同調したり、Nō (Indeed、本当に)を後ろにつけたりするんですね 🙂

※ハワイ語での挨拶について全くご存じない方は、トップページのスライド(カタカナ表記ですよ)で一度確認してみて下さいね

このため、観光客相手のショービジネス等で使われ、ある意味業界の慣習になってしまったアローハ!という呼びかけは別として、ハワイの文化を知る現地の人がアロハという言葉の意味を分からず、アロハの気持ちを込めずに、アロハと挨拶することは今も昔もありません。

とは言え、そもそも挨拶とは<Hello>であっても<こんにちは>であっても、相手に心を掛けながら気持ちよくするものなので、アロハの心を込めずに挨拶するというのは、まるで嫌いな人に下を向いて Good morning や Have a good day と気持ちを込めずに言った時に、言われたほうが決して Good morning と言われた気にはならないのと同じ状況になってしまうんですね。

というわけで、少しながーくなりましたが、皆さんも、挨拶でアロハを使う場合は、単なるHello!でなく、アロハ💕の気持ちをこめて挨拶して下さいね(o^.^)v

それでは Aloha a hui hou!
(Aloha until we meet again!)

追記: アロハの語源がアロ(前)+ハー(息)という説をちまたで良く耳にしますが、日本でも後から誰かが意味付けをした言葉が独り歩きすることがあるように、これも全く言語学上根拠のない都市伝説?の一つとされています。

**ハウマーナのためのハワイ語1日1語**

<今日のハワイ語>アロハ (1日1語文法初日)に戻るにはこちらから

※ツイッターTwitter@OleloHIでも同時更新中です
Also follow us on Twitter @Olelohi!
Facebookページへはこちらから

(※このサイトの投稿日時はアメリカ合衆国西海岸標準時間です)



同じカテゴリーの記事一覧を見るハワイの歴史と文化

ホームへ戻る ⤴⤴